肝臓を守ろう
人間の体を携帯電話に例えると、肝臓は「充電電池」です。
電気を蓄え、じわじわ放出する充電電池。肝臓の場合は、糖分や脂肪分といったエネルギーを蓄えて、じわじわと放出しています。
その蓄えるときに必要なホルモンがインスリン。放出するときに役立つのがグルカゴンなど、です。
携帯電話の充電電池と、人間の体の違いは、携帯電話は充電しすぎ、ということがないように設定されていますが、人間の体はとても高性能。どんなに食べても充電しようと努力してしまうんです。
肝臓に充電しすぎたらどうなるか。それは脂肪肝を作り出します。
口がさみしいからと常に食べてしまう、1日1食大量の食事を食べるなどの食生活は、過食になりやすく、脂肪肝になりやすいでしょう。
肝臓は、ある程度障害されても働き続けることができるため、病気になっても症状が出にくく、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
脂肪肝を放置すると、血糖値が上昇しやすいだけでなく、肝硬変、肝線維症から肝硬変、肝癌へと進行していきます。
そこで、肝臓学会が肝臓にも関心をもち、肝機能を保てるようにと先日
「奈良宣言2023」
が発表されました。
肝機能を示す血液検査のALTという数値が30を目安にしようというものです。
健康診断でも必ず測定される検査です。
ALT値が30を超えていたら、慢性肝臓病(CLD)が隠れている可能性があるとして、かかりつけ医に相談するよう啓蒙しています。
肝臓の脂肪は、有酸素運動で燃えやすいです。
栄養バランスのよい、自分の体にあった食事量をとることで、過食を防ぎ、脂肪肝は改善します。
脂肪肝が改善すると、インスリン抵抗性が改善されるので、インスリンの効きがよくなって、少ないインスリンでも、血糖値が下がるようになります。
ALP30以上がすべて脂肪肝ではないので、他の要因も考えておきつつ、糖尿病の人の65%に脂肪肝を合併しているという報告もあることから、あなたの肝臓について、確認してみてください。