糖尿病の合併症が日本を滅ぼす?
世界的にみても罹患している人が増加している糖尿病。
体を動かして、衣食住を賄っていた時代と違い、車や家電製品、コンビニやファーストフードの出店など、体を動かさなくても、おいしい食品が食べられるこの時代。
糖尿病にならないようにするのが難しいくらいです。
でも、自分の体を大切にしたい、健康でありたい、と思う気持ちがあれば、糖尿病を発症しても、そのまま現状維持がほぼ可能。
糖尿病に特有の合併症というのがあります。
略して「し・め・じ」
し:神経障害
め:網膜症(目に疾患)
じ:腎症(腎機能が低下する)
神経障害の自覚症状は痛み。眠れない痛みが持続する場合もあります。自覚症状がない場合も多く、立ちくらみや便秘、頻尿や尿閉など神経があれば、どこでも障害が発生します。また下肢切断の理由の一つでもあります。
め。網膜症は失明原因の第2位です。失明すると、生活はとても不自由になり、独りでの生活はとても困難になります。生きる意欲もなくなり、うつになってしまうことも。失明原因の第一は緑内障です。糖尿病でも緑内障になりますので、定期的な眼科受診は必ず行ってください。
じの腎臓。腎臓がこわれると、透析をします。腎臓は老廃物や不要な水分を排泄するところ。腎臓が壊れると、老廃物は蓄積し、死に至ります。透析で除去できますが、1日4時間を週3回、病院で過ごすことになり、透析前後の体の違いにとても体調が悪くなる場合もあります。
失明して働けなくなれば、それだけ、日本にとって損害です。
透析になれば、働けても限られてくるし、なにより、透析には莫大な費用がかかります。
糖尿病の合併症が発症するには約10年はかかるといわれていますので、合併症が発症しないように予防することは可能です。
日本を滅ぼさないためにも、あなたの血糖コントロールを適切に保ってください。
参考文献 糖尿病療養指導ガイドブック2018